2008 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性筋萎縮性側索硬化症におけるRNA編集新規基質の探索とバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
19599003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
詫間 浩 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00326258)
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Keywords | 孤発性筋萎縮側索硬化症 / RNA編集 / ADAR2 / 新規基質 |
Research Abstract |
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因については、GluR-BのRNA編集異常が関与していると考えられており、編集酵素ADAR2の活性低下によると推定されている。しかしながら、ADAR2活性低下あるいはGluR-B編集異常が運動ニューロンの細胞死を引き起こすメカニズムは不明のままである。本研究代表者は、ADAR2の既知の基質であるグルタミン酸受容体サブユニット(GluR-B)を遺伝子変化させたマウスの解析を行っていた。その結果、ADAR2はグルタミン酸受容体編集以外の作用を通じて脊髄運動ニューロンに致死的な作用を及ぼすものと考え、未知のADAR2の基質が重要な役割をしているものと考えた。そこで本研究ではADAR2に結合する新規RNA分子の同定を通じ、生体材料を用いたALSバイオマーカーの確立を目的とした。 昨年度中に抗ADAR2抗体を用いた免疫沈降法による、脳からのRNAの抽出法については確立した。本年度はヒト小脳からADAR2結合RNAを抽出し、DNAマイクロアレイ(東洋紡)により結合していたRNA分子を解析した。精度を高めるために別試料を用い、2回の解析を行った。これによりADAR2に特異的に結合するRNAの候補(2回ともコントロールとの発現比が2倍以上)が56個得られた。これらから知られているRNAの分布(核内)から18個にしぼり、mRNAからRT-PCR、シークエンスを行い、ゲノムデータベースとの照合を行った。これらの配列からは編集部位と思われる塩基置換は認められなかった。本研究ではADAR2の基質候補となるデータベースを構築しており、今後のRNA編集機構ならびにALS発症メカニズムの研究の加速を保証した点はきわめて重要である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] A new amyloid β variant favoring oligomerization in Alzheimer-type dementia2008
Author(s)
Tomiyama T, Nagata T, Shimada H, Teraoka R, Fukushima A, Kanemitsu H, Takuma H, Kuwano R, Imagawa M, Ataka S, Wada Y, Yoshioka E, Nishizaki T, Watanabe Y, Mori H
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Journal Title
Annals of Neurology 63
Pages: 377,387
Peer Reviewed
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