2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖ワクチン投与による免疫記憶成立のメカニズム解析
Project/Area Number |
19599006
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
築地 信 Tokyo Medical and Dental University, 難治疾患研究所, 特任講師 (90302611)
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Keywords | 免疫学 / 免疫記憶 / 糖鎖 / 感染症 / 肺炎球菌 / ワクチン |
Research Abstract |
莢膜糖鎖を有する感染性細菌は免疫応答から逃れることにより病原性を発揮する特徴を有する。高齢者の死因トップである肺炎の最大原因菌である肺炎球菌は特徴的な莢膜糖鎖を有しており、宿主の加齢ともに弱った免疫応答から逃れ肺炎を引き起こす。莢膜糖鎖をワクチンとして投与した時には初期的に抗体を誘導できるがその後の持続年数を決定する要因については、T細胞非依存性に起こることについては議論されているが、十分な知見が得られていないのが現状である。そこで本研究はワクチンの改良法として臨床に還元できる知見を得ることを目的として、糖鎖ワクチン投与による免疫応答の解析を行った。 平成20年度は、C57BL/6マウスヘ肺炎球菌の莢膜糖鎖(Pneumococcal Polysaccharides type3 ; PPS3)を投与し脾臓、骨髄、腹腔浸出細胞からB細胞を調整し、蛍光標識PPS結合性を指標に、特異的BCR(B細胞抗原受容体)を有するB細胞の解析を行った。特異的な抗体を産生しているB細胞数を同定することを目的にELISPOT法の確立を行った。血中の抗PPS3-IgM抗体の抗体価がピークとなる免疫後7日目のB細胞を調整し検出を試みたところ、一般に良く解析されているモデル抗原(NP-Ficoll、NP-CGG)への応答と比べて、その上昇率は低いが、抗体産生細胞が検出された。現在、経時変化を解析中である。さらにハイブリドーマ法およびシングルセルクローニング法にて抗PPSモノクローナル抗体を取得した。現在までに4個の抗体を同定しており、その抗体の特異性親和性などの特性を解析中である。これらの抗体遺伝子の配列決定および解析を行い、更なる解析のためのトランスジェニックマウスの作製を開始した。
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[Journal Article] Autoreactive IgG memory antibodies in patients with systemic lupus erythematosus arise from nonreactive and polyreactive precursors.2008
Author(s)
Mietzner B, Tsuiji M, Scheid J, Velinzon K, Tiller T, Abraham K, Gonzalez JB, Pascual V, Stichweh D, Wardemann H, Nussenzweig MC.
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences of the U. S. A. 105(28)
Pages: 9727-9732
Peer Reviewed
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