2007 Fiscal Year Annual Research Report
シェーグレン症候群モデルマウスにおけるγδT細胞の病因病態への関与
Project/Area Number |
19599009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
早川 郁子 Kanazawa University, 医学系研究科, 助教 (80452100)
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Keywords | 皮膚生理学 / シェーグレン症候群 / γδT細胞 / Id3- / - |
Research Abstract |
これまでにId3-/-マウスにおいて生後1週よりgdT細胞の増加を認め、以後継続して認められることがわかっている。そこでId3欠如によりgdT細胞がどのようにして増加するのかを検討した。Id3-/-マウスにおいて、gdT細胞は胸腺において分化の異常により増加している可能性と末梢で増加している可能性があり、そのいずれであるかを検討した。BrdUを投与し増殖中の細胞のDNAに取り込ませて標識し、BrdU陽性細胞の動態を観察した。BrdU陽性gdT細胞の絶対数は野生型に比較してId3-/-マウスで増加していたが、逆にその頻度は低下していた。このことからId3-/-マウスにおけるgdT細胞の増加は胸腺で前駆細胞の発生の過程でおこることが示唆された。次に胸腺の発生のどの段階で生じるのかを検討した。gdT細胞のTCRb鎖の再編成の有無についてPCRを行い検討したところgdT細胞においてもTCRb鎖の再編成がおこっていることが確認された。続いてgdT細胞がTCRb鎖再編成の過程のどの段階で起こるのかについて調べた。遺伝子再構成されていないTCRb遺伝子を持つT細胞の量(germline configuration)を定量的PCRを用いて測定することにより検討した。Id3-/-マウスでは野生型に比較しgdT細胞におけるTCRb鎖のgermline configurationが低下していることからTCRb鎖再編成の進んだ段階から発生していると考えられた。次に胸腺や末梢で異常なgdT細胞が増殖し、シェーグレン症候群様症状を引き起こす可能性について検討するため、gdT細胞のレパトアをフローサイトメトリーにより調べた。その結果、Id3-/-マウスにおけるgdT細胞のほとんどがVg1陽性であり、gdT細胞のレパトアに異常があることが確かめられた。
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