2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能的SNPに着目したインスリンによるレジスチン遺伝子の転写調節機構の解明
Project/Area Number |
19599016
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
大沼 裕 Ehime University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00294794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 春彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90294800)
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Keywords | レジスチン / SNP / インスリン / 転写調節 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度作成したヒトレジスチンレポーターベクターおよび、我々が確立した培養細胞を用いたヒトレジスチン遺伝子プロモータ解析の系を用いて、プロモーター活性の解析を行った。ヒト単球由来のTHP-1細胞を用いて、ヒトレジスチンプロモーターのbasal活性を検討したところ、ヒトレジスチンSNP-420がG型の場合では、C型の場合に比べて、basal活性約20%高値であることが明かになった。THP-1細胞を用いて、ヒトレジスチンプロモーター領域の翻訳開始点から5'側に約3kbp,1kbp,890bp,450bpの長さの、SNP-420がそれぞれG型およびC型のフラグメントを用いて、インスリンのプロモーター活性に対する影響を検討した。いずれの長さのフラグメントでも、インスリンによるプロモーター活性の抑制は認められなかった。これは、SNP-420がG型の場合でもC型の場合でも同様であった。さらに、他の養胞細培系(COS7,HeLa、HepG2)を用いてインスリンのプロモーター活性に対する影響を検討したが、インスリンによるプロモーター活性の抑制は認められなかった。さらに、インスリン応答性ニレメント(IRE)に結合し、インスリン作用を媒介する転写因子であるFOXO1を、THP-1細胞にプロモーターベクターと共発現して、FOXO1のヒトレジスチンロモーター活性への影響を検討した。FOXO1の発現によるヒトレジスチンプロモーター活性の活性化は認められなかった。 以上より、インスリンによるヒトレジスチンmPNAの発現制御は、インスリン応答性ニレメント(IRE)を介した転写レベルでの制御とは別の機構でなされている可能性が考えられた。
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