2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症モデル動物におけるシスタチンCの骨形成促進効果の解析
Project/Area Number |
19599018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
檀上 敦 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 学術研究員 (80452712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城戸 瑞穂 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准教授 (60253457)
渡邉 敏之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 特別研究員 (70367522)
田中 輝男 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (60077667)
西嶋 克司 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准助教 (00136508)
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Keywords | シスタチンC / 骨粗鬆症 / 骨髄間葉系細胞 / オステオカルシン / 骨代謝 |
Research Abstract |
骨粗鬆症モデルマウスとして6週齢C3H/HeJマウスの卵巣を摘出し、ヒト尿由来のシスタチンCを経口投与して骨粗鬆症の骨組織に及ぼす影響を解析した。実験は対照群として卵巣摘出の偽手術のみの群、卵巣摘出群、そして実験群として卵巣摘出後1μg/mlのシスタチンCを経口投与群とした。投与開始28日後に血清学的検査、組織学的評価、X線学的評価、遺伝子学的評価を行った。血清学的には血中ALP活性、および血中カルシウム濃度に有意な差は認められなかった。オステオカルシンの濃度を測定(ELISA法)すると、卵巣摘出群では血中オステオカルシンが高かったが、シスタチンC投与群では有意に低くなった。HE染色による組織学的評価では、卵巣摘出群に比べて有意に骨梁が回復していた。X線学的にも骨梁の回復が確認された。Semi-quantitative RT-PCR法にて、シスタチンC経口投与群の骨中オステオカルシンは卵巣摘出群に対して有意に高い傾向を示した。以上の結果から、シスタチンCがin vivoにおいて卵巣摘出による骨粗鬆症の骨梁減少を予防することが可能であることが示された。本研究ではシスタチンCの投与によって骨中のオステオカルシンは上昇するが、血中のオステオカルシンは下がっていた。骨粗鬆症患者では血中オステオカルシン濃度が上昇することが知られていることを考え合わせると、卵巣摘出によって引き起こされる骨基質の血中への溶出をシスタチンCが抑制する、すなわち高回転型の骨粗鬆症の骨代謝の回転を緩やかにしているのではないかと推測される。これらの結果は、骨代謝におけるシスタチンCの影響を解析する上で大きな手がかりになるデータだと考えられる。今後はIL-6との関連性を検索していく予定である。
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Research Products
(2 results)