2007 Fiscal Year Annual Research Report
光切断リンカーを利用した生理活性物質ターゲット探索方法の開発
Project/Area Number |
19599025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
田中 明人 Hyogo University of Health Sciences, 薬学部, 教授 (30454789)
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Keywords | アフィニティ樹脂 / ターゲット探索 / 生理活性物質 / 光反応 |
Research Abstract |
本研究目的を達成するために重要となる光発生装置に関する検討を当初行った。特に旧機種で問題となった(1)ブロードな波長から構成される光しか発生できないため、光照射によって時間経過と共にターゲット蛋白質や核酸分子などが変性する点、(2)熱源を含む光照射を長時間行なうことによるサンプル温度が向上し蛋白質や核酸分子などが変性する点、の2点を共に解決する機種の探索を目的とし、各種機器選定を行なった。その結果これらの問題点をすべて解決する機種を見い出すことが出来、当該機器を東京インスツルメンツから導入した。そして、o-nitoro型光切断リンカーを利用し、導入機種を用い、光切断反応に影響を与えるリンカー構造、スペーサー構造、固相樹脂担体構造などの変換を行い、4度反応において、10〜30分程度の光照射によって充分に切断される条件構築を目標とし、詳細な検討を行った。リンカー構造部分の変換では、同一光切断リンカーをタンデムに複数繋ぐことによる反応促進効果の検討、光切断反応が起こる光切断リンカー部分構造の構造最適化、リガンド分子とリンカー分子との距離を保つことによる反応促進効果を目指したスペーサー分子の導入等の検討を中心に行った。その結果、市販の光切断リンカー単量体を用いた条件においても、スペーサー分子としてグリシンを導入した場合、目的とする顕著な反応促進効果が認められた。つまり、本スペーサーの利用により、目的とする4度下、10-30分程度の光照射によって充分な切断反応が達成されることを確認することが出来た。また、同時に各種の生体成分でも広範な適応を念頭に置き、生化学実験において汎用される代表的なbuffer成分での検討を行い、本方法が広範な条件においてほぼ等しく反応することを確かめることが出来た。
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