2007 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症による慢性疼痛に関する、末梢神経の可塑的変化について
Project/Area Number |
19603006
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神宮司 誠也 Kyushu University, 医学研究院, 准教授 (80235829)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 恵 九州大学, 医学研究院, 教授 (10140641)
|
Keywords | 変形性関節症 / 疼痛 / 動物モデル |
Research Abstract |
本研究の目的は、関節症モデル動物を作製し、変形性関節症における慢性疼痛の機序を明らかにすることである。本年度は変形性関節症動物モデルを確立し、同モデル動物を用いた、疼痛に関する行動学的評価方法を検討した。 関節症モデルは、7-8週齢のSprague-Dawley系成熟雄性ラット(以下、ラットとする)を用いて、mono-iodoacetate(MIA)を膝関節内注入する方法を用いることにした。まず、膝関節内注入する手技を確認する為に、50μl染色液を注入し、関節内注射を再現性良く行えることを数回の手技にて評価し、確認した。次にpentobarbital sodium(40mg/kg)腹腔内投与による麻酔下に、25μlMIA(80mg/ml)を左膝関節内注入し、2週後に安楽死させ関節を観察した。関節軟骨の変性や消失などの関節症様所見を認めた。 行動学的評価については、incapacitance testerを用いることにした。再現性のある結果を得る為にはラットを器械に慣れさせる必要があり、3週齢からラットを購入し2,3日に1度器械に乗せ、関節内注入が予定される、7週齢になるまで行った。その結果比較的正確な測定が可能となっている。また両膝周囲径の左右差も評価項目に加えた。予備実験において、shamラット(生理食塩水膝関節内注入)に比べて、MIA注入し、関節症を起こしたラットが、後肢荷重や膝関節周囲径に明らかに左右差を認めていた。来年度は、は逆行性トレーサーを関節内に注入し後根神経節や脊髄後角にある膝関節を支配する神経細胞を染色・同定し電気生理学的手技を用いて可塑的変化についての評価方法も検討していく予定である。
|