2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規タキキニンペプチドの疼痛系への効果に関する研究
Project/Area Number |
19603009
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西森 利数 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (20112211)
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Keywords | 神経科学 / 生理活性 / 引っ掻き行動 / 熱痛覚過敏 / 脳・神経 |
Research Abstract |
実験にはカテーテルを留置したラットを用い、このカテーテルを介して種々のペプチドを注入し、足引っ掻き行動と熱痛覚過敏の誘発を指標として、ペプチドの機能について検討を加えた。 11個のアミノ酸からなるサブスタンスP(SP)または10個のアミノ酸からなるエンドキニンA/B(EKA/B)のC末端にはMetが存在し、 SPまたはEKA/Bを髄腔内に投与すると足引っ掻き行動と熱痛覚過敏を誘発した。しかし、このC末端のMetをLeuに置換した[Leu^<11>]-SPまたは[Leu^<10>]-EKA/Bを単独投与したところ、足引っ掻き行動と熱痛覚過敏は誘発されなかった。 そこで、 C末端をLeuに置換したペプチドの機能を検討するために、10^<-3>M[Leu^<11>]-SPまたは[Leu^<10>]-EKA/Bを髄腔内投与5分後に10^<-3>MSPを投与したところ、C末端のアミノ酸をLeuに置換したこれらのペプチドの前投与によりSPまたはEKA/Bによる足引っ掻き回数は有意に減少した。 また、[Leu^<11>]-SP前投与後に、SPによる熱痛覚過敏の誘発について検討したところ、10^<-6>M[Leu^<11>]-SP前投与では熱痛覚過敏が誘発されたが、10^<-5>M[Leu^<11>]-SP前投与では熱痛覚過敏は誘発されなかった。一方、10^<-7>M[Leu^<10>]-EKA/B前投与ではSP投与により熱痛覚過敏は誘発されたが、10^<-6>または10^<-5>M[Leu^<10>]-EKA/B前投与では熱痛覚過敏は誘発されなかった。 以上の結果は、 SPまたはEKA/BのC末端にあるMetをLeuに置換した10^<-3>M[Leu^<11>]-SPまたは[Leu^<10>]-EKA/Bは、 SPまたはEKA/Bの興奮効果を抑制することを示し、この効果はC末端にあるアミノ酸に由来することが示唆された。
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Research Products
(6 results)