2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における脊髄グルタミン酸トランスポーター機能可塑的変化の役割
Project/Area Number |
19603010
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山内 正憲 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (00404723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 雅文 北海道大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20243040)
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Keywords | グルタミン酸トランスポーター / 一酸化窒素 / 神経因性疼痛 / 酸化ストレス / ニトロシル化 / GLT-1 / GLAST / アストロサイト |
Research Abstract |
神経因性疼痛の発症に、脊髄でのグルタミン酸トランスポーター活性低下が関与することを示唆する報告がなされているものの、その詳細なメカニズムについては不明である。グルタミン酸トランスポーターの酸化的修飾が、その活性低下を引き起こし、神経因性疼痛発症の原因となっている可能性について検討するため、本年度は、培養細胞を用いたインビトロ実験系において、酸化ストレスがグルタミン酸トランスポーター活性に影響を与えるか否かを検討した。GLT-1を一過性に発現させたCOS-7細胞を用い、NOドナーであるS-nitrosocysteine(SNOC)処置が細胞外グルタミン酸取り込み活性に与える影響について検討したが、SNOC前処置(100-200μM、10分間)によるグルタミン酸取り込み活性の変化は認められなかった。また、主としてGLASTを発現しているアストロサイトの初代培養細胞を用い、酸化ストレスや、酸化ストレスを受けて生成する酸化二次生成物が、細胞外グルタミン酸取り込み活性に与える影響について検討した。パーオキシナイトライト発生剤であるSIN-1(1mM、1時間)、あるいは脂質過酸化によって生成する4-ヒドロキシノネナール(30μM、3時間)でそれぞれ前処置したところ、ともに細胞外グルタミン酸取り込み活性をわずかに減少させる傾向は示したものの、その変化は有意なものではなかった。一方、培養アストロサイトの過酸化水素への曝露は、グルタミン酸取り込み活性を有意に減少させたが、同時にLDH遊離や形態変化で示されるような細胞傷害が認められた。今後は、細胞傷害を惹起しない濃度において、過酸化水素がグルタミン酸取り込み活性に与える影響を改めて検討する予定である。
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