2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛における脊髄グルタミン酸トランスポーター機能可塑的変化の役割
Project/Area Number |
19603010
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山内 正憲 Sapporo Medical University, 医学部, 講師 (00404723)
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Keywords | グルタミン酸トランスポーター / 疼痛 / アストロサイト / 過酸化水素水 |
Research Abstract |
神経因性疼痛の発症に,脊髄でのグルタミン酸トランスポーター活性が関与することを示唆する報告がなされている.平成20年度は,正常ラットに対してグルタミン酸トランスポーター阻害薬を髄腔内投与し熱および機械刺激に対する逃避反応を検討した.正常ラットの第5/6腰椎椎間より薬物髄腔内投与用カテーテルを留置し,1週間後に行動学的異常のないこと,また,2%キシロカイン10μLにより下肢の運動麻痺が生ずることを確認し,実験を行った.グルタミン酸トランスポーター阻害薬の髄腔内投与により,足底に与えられた侵害熱刺激に対する逃避潜時は有意に短縮し,熱性痛覚過敏が認められた.また,von Frey filamentによる機械刺激に対する逃避閾値も有意に低下し,機械性痛覚過敏が認められた.以上により,脊髄グルタミン酸トランスポーター活性の低下により痛覚過敏が生ずることが明らかとなった. 次に,坐骨神経結さつによる神経因性疼痛モデルを作成した.坐骨神経結さっにより結さつ1週間後より熱性痛覚過敏および機械性痛覚過敏が出現し,2週間以上持続した.坐骨神経結さつ2週間後に脊髄組織を採取し,ウエスタンブロット法によりグルタミン酸トランスポーターであるGLT-1およびGLASTの発現量を検討した.その結果,対照ラットと比較し神経因性疼痛モデルラットでは脊髄GLT-1およびGLASTの発現量は変わらなかった.現在,GLT-1およびGLASTの酸化的修飾について検討中である.
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Research Products
(2 results)