2008 Fiscal Year Annual Research Report
帯状疱疹後神経痛の発症におけるT細胞の関与について
Project/Area Number |
19603013
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
武田 昌子 International University of Health and Welfare, 大学病院, 講師 (50433628)
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Keywords | 帯状疱疹後神経痛 / MHC遺伝子 / T細胞 / 帯状疱疹後痛モデルマウス |
Research Abstract |
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の疼痛発生機序は明らかでない。研究代表者はこれまでに,帯状疱疹後神経痛とHLA-A*3303-B*4403-DRB1*1302との関連を見出した。一方で帯状疱疹後神経痛に進行しなかった帯状疱疹とはその関連がないことを確認した。昨年度の結果より、その発症にはCD4陽性T細胞の関与が考えられたため、今年度は帯状疱疹後痛モデルマウスを用いて脊髄の免疫組織染色を施行した。その結果、帯状疱疹発症の場である脊髄後根神経節を経て知覚神経が入る脊髄後角にCD3陽性T細胞を認めた。今後は、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞の存在の確認をする予定である。さらにMHCクラスI抗体、MHCクラスII抗体を用いて免疫組織染色を行ったが、ともに検出はされなかった。これは、通常はほとんど存在しないMHC分子がある一定の時期に帯状疱疹後神経痛発症に関与している可能性がある、という仮定のもとに行ったことであるが今回の研究でははっきりしなかった。 現在は、CD4欠損マウスをジャクソン研究所から入手して繁殖させている最中である。当初の計画では、CD4欠損マウスを作製する予定であったが専門家へのコンサルトの結果、現状では作製が困難であるため、ジャクソン研究所から入手することとなった。第6〜7週令に達した段階で帯状疱疹後モデルマウスの作製を試みて帯状疱疹後神経痛が発症するか否かを確認する予定である。帯状疱疹後神経痛が発症しなければ、CD4陽性T細胞がその発症になんらかの関与があると考えられる。
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