2009 Fiscal Year Annual Research Report
帯状疱疹後神経痛の発症におけるT細胞の関与について
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19603013
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
武田 昌子 International University of Health and Welfare, 大学病院, 講師 (50433628)
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Keywords | 帯状庖疹後神経痛 / MHC遺伝子 / T細胞 / 帯状疱疹後痛モデルマウス / CD4陽性T細胞欠損マウス |
Research Abstract |
帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の疼痛発生機序は明らかでない。研究代表者はこれまでに帶状疱疹後神経痛とHLA-A*3303-B*4403-DRB1*1302との関連を見出した。一方で帯状疱疹後神経痛に進行しなかった帯状疱疹とはその関連がないことを確認した。この研究では、HLA分子とT細胞との関連から、帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛への進行にT細胞が関与しているかについて研究するために帯状疱疹後痛モデルマウスを用いることとした。研究分担者は、単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)感染による帶状疱疹痛と帯状疱疹神経痛のモデルマウスを作製した。それを用いて、研究代表者はモデルマウスにおいてもヒトのHLA遺伝子に相当するマウスでのMHC遺伝子(H-2^b)の関与を見出し、さらにCD3陽性T細胞との関連も示唆した。 今年度はCD4陽性T細胞欠損マウスを作製して実験する予定であったが、専門家へのコンサルトの結果、現状では作製が困難であるため、ジャクソン研究所より既成のCD4陽性T細胞欠損マウス(系統はC57BL/6)を輸入してそれらを繁殖させて使用した。第6~7週令に達した段階で帯状疱疹後痛モデルマウスを作製する過程を施行して、帯状疱疹後神経痛の発症率をコントロールのC57BL/6マウスと比較した。 その結果、両者の帯状疱疹後神経痛の発症率はほぼ同様で有意差は認められなかった。なおこれらのマウスに急性期においてCD4陽性T細胞が存在しないことは免疫組織染色にて確認した。 つまり、予想に反してCD4陽性T細胞は帯状疱疹から帯状疱疹後痛への発症に関して直接関与しているわけではないことが示唆された。このことから、帯状疱疹後痛の発症にはMHC遺伝子そのものが関与している可能性が示唆された。またCD3陽性T細胞の関与は見出せなかったため、今後はCD3陽性NKT細胞、さらにNK細胞の関与について研究する予定である。
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Research Products
(2 results)