2008 Fiscal Year Annual Research Report
難治性疼痛へのガンマナイフ治療効果の機序を明らかにする
Project/Area Number |
19603017
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
川上 順子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (40075601)
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Keywords | 難治性疼痛 / 下垂体 / エンドルフィン / グリア細胞 |
Research Abstract |
目的:近年、三叉神経痛や中枢痛などの難治性疼痛治療に非侵襲的方法であるガンマナイフが使用され、良好な治療効果が得られているが、ガンマナイフの治療機序は明らかにされていない。本申請研究は、ガンマナイフによる鎮痛効果の機序を基礎的な研究により解明する。 1.中枢痛へのガンマナイフ照射治療の効果機序を明らかにする。 癌性疹痛の除痛における下垂体へのガンマナイフ照射の効果の機序として可能性の高いのは、エンドルフィンなどのオピオイド系の分泌の変化があげあられる。そこで、末梢神経への侵害刺激により、下垂体において活性化する部位および細胞の種類を同定した。皮下へのフォルマリン注入(または、坐骨神経結さつ)による侵害刺激は、ラット下垂体の中葉にFos陽性細胞の発現が増加する結果が得られた。このFos陽性細胞がオピオイド系ペプチドを含む細胞であるか免疫組織染色による二重染色(Fos & Proenkephalin)にて同定を行っている。一方、ガンマナイフによる中枢神経細胞への影響を線条体に照射で解析をおこなって結果では、グリア細胞系の変化が著明であった。下垂体においても、侵害刺激によりラット中葉、前葉において、Iba1陽性細胞の増加があり、ミクログリア細胞の発現が増加する結果が得られた。これらの侵害刺激による変化と痛みの関連について今後解析を行い、下垂体ガンマナイフの鎮痛作用の機序を明らかにする手がかりを得る。 2.神経因性疼痛へのガンマナイフの鎮痛作用機序 アロデニアモデルラットの坐骨神経にガンマナイフを照射し、ガンマナイフ照射2週間後の坐骨神経において、Iba1陽性細胞(マクロファージ)の増加を確認した。ガンマナイフの鎮痛作用が、末梢神経においては、ミエリン化が促進され修復機転が促進されている可能性が示唆された。
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