2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛モデルにおける電位依存性チャネルの発現変化と病態への関与
Project/Area Number |
19603019
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
福岡 哲男 Hyogo College of Medicine, 医学部, 非常勤講師 (90399147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 希実子 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (70418961)
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Keywords | DRG / Nav / Kv / 腰部交感神経節 / 脊髄 / 神経因性疼痛 |
Research Abstract |
8つの電位依存性ナトリウムチャネル(Nav1.1-1.3,1.6-1.9,Nax)のriboprobeを作成し、ラットDRGにおけるニューロンのサブタイプ別の発現の違いを明らかにし、J.Comp.Neurol.に発表した。 次に脊髄における層別の発現の違いを調べ、これまで正常脊髄には存在しないと云われていたNav1.3が侵害受容に深く関係する後角膠様質に選択的に発現することを見いだした。この成果は米国神経科学学会でポスター発表するとともに、現在英文論文を作成中である。 更に、腰部交感神経節における発現の比較と、軸索切断後の変化についてもデータを得ており、DRGニューロンや脊髄運動神経ニューロンに存在しないNav1.3が正常でも発現しており、末梢神経レベルで選択的交感神経ブロックができる可能性を示唆する成果が得られ、軸索切断後にはこのサブタイプのみが発現増加することを見いだした。慢性疼痛状態の一部には交感神経活動が関与していることは経験的にも良く知られており、この研究結果はそのメカニズムを解明する上で、重要な所見であると考える。これらのデータについても、現在英文論文作成中である。 これらの結果は、疼痛の治療に広く用いられている局所麻酔薬の分子ターゲットを特定したという点で、斬新な研究成果であり、今後、更に神経因性疼痛モデルでの変化について研究を続ける予定である。 最後に、15つの電位依存性カリウムチャネル(Kv1.1-4.3)についても全てriboprobeを作成し、正常ラットDRG、脊髄、腰部交感神経節における詳細な発現の違いを確定した。これらについてはデータが膨大であるため、現在解析中であり、順次英文論文にする予定である。
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Research Products
(7 results)