2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス性胃腸炎の疫学、治療、予防に関する研究-ノロウイルスとE型肝炎ウイルス-
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19604001
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Research Institution | Ainogakuin College |
Principal Investigator |
沖津 祥子 Ainogakuin College, 第一看護学科, 講師 (10082215)
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Keywords | ウイルス / 感染症 / 環境 / 食品 / 抗体 |
Research Abstract |
1.2009年の日本の健康なブタからE型肝炎ウイルスの検出を行った。東京の便検体5例(1.9%)が陽性で、すべてgenotype 3であった。 2.タイの仔ブタ下痢便(2006-2008年)よりロタウイルス14検体(10.7%)を検出し、G3が5例、G9が9例であった。P genotypeはすべて稀なP[23]であった。ウイルスの流行に変遷があり、リアソータントの集積があることがわかった。P[23]の完全長の配列決定を初めて行った。ブタサポウイルスを1検体(0.8%)検出し、新しいgenogroup(G)であることがわかった。 3.ノロウイルス(NoV)GIとIIを鑑別可能な迅速診断キットを評価した。RT-PCR法との比較で感度、特異度、一致率は、GIで71.4%、99.2%、95.0%、GIIで88.8%、84.7%、87.1%であった。さらにキット改良のため、新しくNoV VLPを6種作製した。サポウイルスVLPも2種作製した。 4.2005年タイの小児急性胃腸炎患者のNoV感染を調べた。6.8%が陽性でgenotypeはGII/4が最も多く、GII/15、GII/6、GII/12が続いた。GII/4は新しい変異株であった。 5.タイと日本のブタでブタコブウイルス(ピコルナウイルス科)の感染状況を調べた。タイの下痢の仔ブタから99%、日本の健康なブタから45.4%検出された。日本の1検体はウシコブウイルスに類似の配列であった。 6.日本、タイ、スリランカの小児急性胃腸炎患者検体よりボカウイルス、ヒトパレコウイルス(HPeV)を検出した。ボカウイルスは2%(日本)、1.2%(タイ)で陽性であった。HPeVは8.1%(日本)、14.6%(タイ)、8.3%(スリランカ)で陽性であった。多くはHPeV1~4だが、スリランカの5検体はHPeV 10、2検体はHPeV 11であった。これは初の報告である。
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Research Products
(38 results)