2007 Fiscal Year Annual Research Report
経口感染型肝炎ウイルス感染症の疫学調査および保健医療向上に関する研究
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19604004
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
阿部 賢治 National Institute of Infectious Diseases, 感染症理部, 主任研究官 (60130415)
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Keywords | A型肝炎 / E型肝炎 / 疫学 / 成因不明肝炎 / 国際保健 |
Research Abstract |
ベトナムの小児における成因不明肝炎の実態を調査した。臨床的に非B非C型肝炎と診断された急性肝炎26例および劇症肝炎7例の小児患者を対象とした。その結果、IgM-HAV抗体が急性肝炎26例中18例(69.2%)、劇症肝炎7例中1例(14.3%)で検出された。さらに、急性期の血清中を用いたPCR法にて、HAV RNAが急性肝炎5例(19.2%)、劇症肝炎2例(28.6%)で検出された。HAV RNA陽性を示した7例のうち、2例(28.6%)はIgM-HAV抗体が陰性であった。さらに、HAV RNA陽性7例のPCR産物を用いて、direct sequenceによりVP1領域の塩基配列を決定した後、分子系統樹を近隣結合法にて作成し、ゲノタイプ分類を行った。その結果、全ての分離株はゲノタイプIAに属した。 HAVベトナム株は、同一クラスターを形成し、近隣のタイやインド株とは異なった集団を形成した。この成績から、ベトナムではHAV感染が、非B非C型急性および劇症肝炎発症に深く関わっていることが示唆された。HAVベトナム株のゲノムを解析・報告したのは、本研究が初である。
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