2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代の南インドにおける<文明の衝突>と社会秩序の再編成
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19610013
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
杉本 良男 National Museum of Ethnology, 民族社会研究部, 教授 (60148294)
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Keywords | インド / タミルナードゥ州 / ケーララ州 / ヒンドゥー・ナショナリズム / 災害 / インド洋津波 / ヒンドゥー寺院 / 自助グループ |
Research Abstract |
本年度は、連携研究者のサガヤラージがインド・タミルナードゥ州(3月9日-29日)、同じく連携研究者の小林勝が同ケーララ州において(8月18日-9月5日)長期の現地調査を実施した。サガヤラージはタミルナードゥ州マドラス市および津波被災地における自助グループ(Self-Help Group)について現地調査を実施した。これまでの調査により、災害復興をめぐって宗教間対立が激化する一方、州全体で自助グループの活動が活発化し、宗教、カースト、性差などを超えた新しい社会的ネットワーク構築の可能性が開かれている現状を明らかにした。小林は、前年度にひきつづき基本的な「ヒンドゥー教」などの概念の歴史的形過程について文献研究を行い、また現地調査によってヒンドゥー寺院を中心とした地域社会の再編成の状況およびそこへのヒンドゥー・ナショナリズムの介入についてその実情を明らかにした。とくに本年度はアイヤッパ神への信仰を核としたあらたな社会組織の活動によりヒンドゥー意識が再編されている現状が明らかになった。杉本は文献研究と新聞資料などの分析により、南インドにおけるインド洋津波災害地域においてインド内外の諸機関、団体が介入することによって、むしろ対立が顕在化していく現状が明らかになった。なお、サガヤラージと杉本良男は津波災害復興に関してP.カラン博士(ケンタッキー大学)が編集している論集(今秋出版予定)に寄稿し、また4月にワシントンで行われるアメリカ地理学会での同博士主催のパネルで発表の予定である。
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Research Products
(5 results)