2008 Fiscal Year Annual Research Report
博物館学資料「鶴田文庫」の整理・保存及び公開に関する調査・研究
Project/Area Number |
19611008
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
浜田 弘明 J. F. Oberlin University, 人文学系, 教授 (30348487)
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Keywords | 博物館学 |
Research Abstract |
「鶴田文庫」は、博物館学者・故鶴田総一郎旧蔵の蔵書・資料群で、現在、桜美林大学図書館が所蔵している。その量は、ダンボール箱に換算して250箱を超える膨大なものであり、本研究計画期間の3年間で、すべての資料を整理・分類し、目録化することは到底不可能である。そこで本研究では、最も公開が望まれている、国内外の書籍に重点を当て、目録化を実現し、日本における戦後博物館学の発展・展開過程を国内外の専門書から展望することを目的としている。 この「鶴田文庫」には、昭和戦後期のほぼ全てにわたる日本の博物館学文献と、国内屈指の海外博物館学関連文献が所蔵されていることから、これまでの博物館学研究でほとんど進められてこなかった、博物館「学史」に関する体系的研究のための基礎的資料を整備することが期待できる。 また、博物館学研究者に関する個人史的研究事例も極めて少ない。このため、本「文庫」の整理及び研究の結果として、博物館学研究者・鶴田総一郎の個人史研究についても検討を進め、日本の博物館学の進展へ寄与しようとするものである。 2年次目にあたる平成20年度は、書籍資料の整理作業を継続して進め、累計で約5,000冊の目録カード化を実施した。この作業と並行して、パソコン入力作業によりデータベース化を進めるとともに、公開に向けての分類体系化に向けての検討を行い、この経過は、刊行物にまとめることが出来た。 平成20年12月には、大学内に整備された「桜美林資料展示室」の一部を利用して「鶴田文庫コーナー」を開設し、整理済み資料の公開を開始した。配架は、原資料配列を重視したものとし、分類検索のため、各資料に個別番号を付している。さらに平成21年3月には、「文庫コーナー」の学外研究者への公開を兼ね、学内において鶴田文庫研究に関する「公開研究会」を開催した。
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