2007 Fiscal Year Annual Research Report
博物館の評価方法としてのビジタースタディーに関する研究
Project/Area Number |
19611009
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
西 源二郎 Tokai University, 海洋研究所, 教授 (20102858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 一興 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10194268)
藤谷 哲 目白大学, 経営学部, 講師 (90331446)
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Keywords | 博物館学 / 展示評価 / ビジタースタディー / 観覧行動 / 水族館 / 歴史博物館 |
Research Abstract |
近年、博物館学においては、博物館の評価が課題となっており、なかでも、博物館特有の情報伝達手段である、展示評価のあり方が課題となっている。本研究では、ビジタースタディー(来館者の観覧行動調査)という方法が、これらの課題を解く一つの手段となりうることを明らかにしようとした。そのために、環境と観覧行動との対応関係に注目し、展示環境や展示手法などの異なる博物館において、観覧者の行動を調査し、分析・比較・考察などを深め、観覧行動の調査研究を、博物館学研究領域の一分野として位置づけることを最終的な研究目標とした。 今年度の調査では、2館で観覧者の行動調査を行った。1館は観覧順路が比較的明瞭に設定された博物館の例として、東海大学海洋科学博物館を取り上げた。そこは2007年7月に展示室の一部が改装されたので、その前後における観覧者の行動を比較することによって展示改装の効果を検証した。展示スペースを4区画に区分して滞在時間を比較したところ、展示改装を行った2区画では滞在時間が増加し、全体では約10%の増加となった、改装を行わなかった区画では逆に短くなった。また、展示改装によって観覧順路が変化し、観覧者の動線が短絡することが懸念されたが、そのような変化は大きくなかった。さらに、観覧者の興味と観覧行動との関係に関する調査を行ったが、現在結果の分析中である。もう1館は、観覧順路の自由度が大きく、多様な展示手法が重層的に展開されている博物館の例として山梨県立博物館を取り上げた。ここでは、観覧者の興味、来館経験、同行者の有無などによって観覧行動がどのように変化するかに焦点を当てて調査を行った。これについてもデーターの分析を現在行っている。
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