2008 Fiscal Year Annual Research Report
博物館・科学館を中心とした教育現場で活用できる触媒教育プログラムの開発と実践
Project/Area Number |
19611016
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
若林 文高 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 理工学研究部, 研究主幹 (30158589)
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Keywords | 触媒 / 理科教育 / 化学教育 / 中等教育 / 固体酸 / 色素合成 / グリーン・サステイナブル・ケミストリー |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、固体酸触媒による色素合成実験の教材化の検討を進め、特に教育目的でより広範に利用できる教材にするため、実験結果に個人差がほとんどでないようにすることをめざした。 ゼオライトを用いた色素合成(フルオレセイン、フェノールフタレイン)では、従来、触媒の処理方法(加熱処理)の個人差のため参加者によっては色素があまり合成されないことがあったが、処理の操作方法およびその説明をわかりやすくし、だれでも色素を高活性に合成できるようになった。また、色素合成を確認するための呈色・蛍光判定も、操作法や試薬の調製法を改良し、鮮やかに見られるようにした。これらの方法を、小中生向けや高校生向けの講座で実施して有効であることを確認すると共にその結果を踏まえてさらに改良した。また、講座の説明では、グリーン・サステイナブルケミストリーの考え方などを博物館の展示と有機的に結びつけて説明する試みをし、博物館という場を活かして一連の講義と実験を行えるプログラムとした。なお、プレゼン資料に展示内容も組み込み、展示がない環境でも利用できるようにした。また、フェノールフタレイン系のpH指示薬の合成として、さらにクレゾールフタレイン、メトキシフェノールフタレイン合成の検討を進めた。反応温度を変えることにより、再現性良く合成できるようになった。また、置換基の位置による反応性の違いをさらに検討した。しかし、これらの反応試薬の学校現場での使用にあたっては薬品の刺激性など留意すべき点が多々あるので、さらに検討する必要がある。これまでの研究結果は、2008年8月に開催された国際化学教育会議で発表した。
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Research Products
(2 results)