2007 Fiscal Year Annual Research Report
携帯コンテンツのライフサイクル管理と知的財産活用に関する研究
Project/Area Number |
19613005
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
小見 志郎 Prefectural University of Hiroshima, 経営情報学部, 教授 (90405506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟島 浩二 県立広島大学, 経営情報学部, 講師 (10405508)
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Keywords | 携帯コンテンツ / ライフサイクル管理 / 知的財産活用 |
Research Abstract |
本研究は、拡大が続くiモードなど携帯コンテンツにおける知的財産マネジメントの実態と課題を明らかにし、コンテンツビジネス振興の制度設計などに寄与することを目的としている.このため、平成19年度の研究では、iモード・コンテンツを分析の対象とし、そのサービス開始以降の経年的なコンテンツ情報をデータベースとして作成した.このデータベースからコンテンツの変遷と広がりを分析し、コンテンツの生存率と市場への先駆者利益の実態を明らかにした.この先駆者利益の分析では、音楽・ゲームのコンテンツ分野では必ずしも有意性が見いだせず、生活情報コンテンツの分野で市場の支持が続いていることが明らかになった. また、代表的なコンテンツプロバイダーを対象に、コンテンツの生成から消滅までのライフサイクルをいかに管理しているかについてインタビュー調査を行った.とくにプロバイダー企業A社でのライフサイクル管理では、音楽、ゲームのコンテンツの入れ替わりが激しく、生活情報のコンテンツでは息の長いライフサイクルが確認できた.そのライフサイクルを規定する要因は、マーケットの成長要因、経営管理コスト要因、コンテンツ保有者との関係性要因が強く関連しているとみられる.着うたフルなど成長が著しいコンテンツ分野では、音楽コンテンツにおける著作権管理メカニズムが有効に寄与しているが、ゲームコンテンツ分野のようなコンテンツ開発者、保有者、プロバイダーなどの間での権利調整やライセンシングにかかる管理コストの要因からライフサイクルに大きく影響している分野もある.このコンテンツのライセンシングの問題点と課題の深堀は、知的財産マネジメントの大きな課題でもあるので、この作業は20年度においても継続して行う.(本成果は20年度に重点的に発表する予定である。)
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