2007 Fiscal Year Annual Research Report
光活性化アデニル酸シクラーゼ大量発現系の開発一活性化の分子機構解明をめざして-
Project/Area Number |
19614004
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
伊関 峰生 The Graduate University for Advanced Studies, 葉山高等研究センター, 上級研究員 (60414009)
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Keywords | ミドリムシ / 形質転換 / イントロン / 光センサー / アデニル酸シクラーゼ |
Research Abstract |
本研究は、申請者らが発見した青色光センサー、光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)の活性化の分子機構を明らかにすることを最終目標とし、従来困難であったPAC試料の大量取得を目指してミドリムシにおける大量発現系の開発を行うものである。本年度は、大量発現系開発の基盤となるミドリムシ形質転換系を確立すべく以下2項に関して研究を進めた。 1.薬剤感受性の検討 ミドリムシにおいては、G418やハイグロマイシン等の真核生物用抗生物質を含めて系統的に薬剤感受性を調べた例は報告されていない。そこで、各種抗生物質を用意し、平板法および液体培養により、それぞれに対する最小生育阻害濃度を決定した。これにより、薬剤耐性スクリーニングの基盤が確立された。 2.形質転換ベクターの開発 形質転換を実現するためには、適切なプロモーターを選ぶことが必要だが、現在までにミドリムシで機能するプロモーターは全く知られておらず、そもそもコーディング領域全長が解明された遺伝子自体が僅かしかない。そこで、PAC遺伝子の構造を明らかにするために、ゲノムライブラリを構築し、PAC遺伝子のスクリーニングを行った。その結果、PACを構成する2種類のサブユニットをコードする遺伝子をそれぞれ単離することに成功した。それらの塩基配列を決定したところ、意外にもこれら2つの遺伝子のエクソン/イントロン構成は大きく異なることが明らかとなり、パラログ分化がごく早い時期に起こったことが示唆された。さらに、コーディング領域上流の配列決定を行い、薬剤耐性遺伝子と組み合わせたベクターを多数構築した。 以上、本年度の研究において、形質転換実現に欠かせない重要な基礎情報を得ることができた。
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