2007 Fiscal Year Annual Research Report
癌治療のためのシグナルペプチドを連結したQOL対応型光線力学療法用光増感剤の開発
Project/Area Number |
19614009
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小幡 誠 Nara Women's University, 大学院・人間文化研究科, 助教 (70343267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Keywords | 光生命科学 / 光医療 / 光線力学療法 / 光増感剤 / ペプチド / 活性酸素 / 1,3-双極子付加環化反応 / 一重項酸素 |
Research Abstract |
本研究課題では、生理活性ペプチドを連結した光増感剤の開発およびその機能評価を目的としてる。合成は光増感部位としてフッ素ポルフィリン誘導体を用い、そのパーフルオロフェニル基へのチオラートアニオンによる求核置換反応を利用して、生理活性ペプチドを連結することを計画した。本年度は光増感剤の合成、および連結方法の検討を行った。 1.光増感部位の合成…光増感部位として、ペンタフルオロベンズアルデヒドとピロールからフッ素ポルフィリンを合成した。さらにこれにパラジウムおよび白金イオンを挿入したフッ素ポルフィリン金属錯体を合成した。このフッ素ポルフィリンおよびその金属錯体へのアゾメチンイリドの1,3-双極子付加反応によりクロリン環に変換した。このクロリンパラジウム錯体およびクロリン白金錯体について、それぞれ単結晶X線構造解析に成功した。また予想通り、パラジウムおよび白金イオンの導入により一重項酸素の発生効率の向上が確認された。 2.一級チオラートアニオンによる求核置換反応の検討…一級チオラートアニオンとして、2-(S-アセチル)エチル基を有するグルコースを用いて、反応の成否を検討した。その結果、実際に求核置換反応は起きるものの、大量の副生成物が生じることが分かった。このことから、本研究課題の推進には、異なる合成経路を検討する必要があることが明らかとなった。
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