2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650004
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
横尾 真 Kyushu University, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20380678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 敦 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (30380679)
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Keywords | マルチエージェント / 協力ゲーム / 電子商取引メカニズム / インターネント環境 |
Research Abstract |
本研究では,インターネット等の開環境での協力ゲームにおける新しい解概念を提案することを目的とする.具体的には,ネットワークでの匿名性を用いて,参加者が談合を行ったり,架空の名義を用いるといった不正行為を行うことが可能な場合でも,そのような不正行為の影響を受けない利益の配分方法を考案する.また,提案する解概念に関しては,解を求めるための計算のコストを考慮し,動的な変化に対応して迅速に解を求めることを可能とする. 他のエージェントと交渉し提携を組むことは自律的なエージェントの備えるべき重要な性質である.エージェントが安定した提携を組むためには,協力によって得られた利得をエージェント間でいかに分配するかという問題を解決する必要がある.この問題を解決する方法の一つとして,協力ゲーム理論を利用することが考えられる.協力ゲーム理論は,複数のエージェントが協力した際,協力の結果得た利得の分配方法に関する研究分野であり,解概念と呼ばれる利得の分配方法が提案されている.これらの解概念はマルチエージェントシステムの研究において利用されてきている. 本年度は横尾を中心に開環境での協力ゲームにおいて,複数の名義を用いて,自分の持っている能力を分割して申告する架空名義操作に関してモデル化を行った.さらに上記のモデルにおいて,各参加者が虚偽の申告をしても,配分される利益が増加しない,正直が最良の策となる新しい解概念である「匿名操作不可能シャプレイ値」を提案した. この解概念は協力ゲームにおいて,最も重要な解概念の一つであるシャプレイ値の公理系を,匿名操作不可能性を満足するために必要最小限に緩和した新しい公理系を満す唯一の解概念であり,計算量/表記量が匿名操作不可能コアに比べ極めて小さい.この研究成果はマルチエージェントシステムのトップレベルの国際会議であるAAMAS2008に採択された.
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Research Products
(4 results)