2007 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルメディアにおける色覚バリアフリーを実現する色変換技術の確立
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19650041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
末竹 規哲 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (80334051)
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Keywords | 画像情報処理 / 色覚バリアフリー |
Research Abstract |
平成19年度は、特に1色型色覚特性を有する人に焦点を絞り、色覚バリアフリーを実現する画像変換(色変換)アルゴリズムを開発した。1色型色覚特性を有する人は、眼の錐体細胞が1種類しかなく、色の弁別ができないという特徴がある。すなわち、カラー画像をモノクロ画像として捉えていることになる。したがって、カラー画像を効果的にモノクロ画像へと変換することが必要となる。従来より、カラー画像のモノクロ画像化は、各画素の輝度(明度)を抽出し、単にそれをグレースケール化するというものであった。そのため、カラー画像上では色の違いにより識別できていたものが、輝度で置き換えられたモノクロ画像では識別できないといった問題があった。 この問題に対して、A.A.Goochらは、色の違いを考慮したコスト関数を導入し、モノクロ化を最適化問題に帰着させ、それを解くことでモノクロ画像を得ている。しかし、その最適化問題には、局所的最適解が多数存在し、実時間で良質な解を得ることが困難であるという問題がある。本研究では、A.A.Goochらの研究と同様に、カラー・モノクロ色変換(射影)をある種の最適化問題として捉えはするものの、新たな制約条件を導入することで、高効率に唯一の大域的最適解を得て、実時間で良質なモノクロ画像に変換することを試みた。また、A.A.Goochらの研究を基盤に、高速カラーモノクロ色変換アルゴリズムも開発した。さらに、方法論をより発展させ、2色型色覚を有する人の弁別困難色に対する色覚バリアフリー化色変換の基礎として非線形明度修正法を提案した。
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Research Products
(4 results)