2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラフ集合と位相空間に基づいて占いを信じる感性推論システムを試作する
Project/Area Number |
19650046
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村井 哲也 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (90201805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 峰一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60205101)
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Keywords | 感性工学 / ソフトコンピューティング / 粒状計算 / ラフ集合 / トポロジー / 非妥当推論 / 信念形成 / 近似モデル |
Research Abstract |
本研究では, ラフ集合に基づく粒状性(granularity)と位相空間が一般に、感性を伴う情報処理において一つの重要な役割を果たす、という観点に基づいて、人間の推論における感性の役割に関する基本的知見を獲得し、感性を伴う推論のシミュレーションの実現をめざすことを目的とする。感性推論の例として, 占いにおける推論を取り上げている. 本年度は, 前年度に構築した粒状推論システムの準備の下, 推論における感性の役割に関する基礎理論を更に洗練させ, 計算機上で実装することが目標であった. 本システムにおいて, 占いにおけるいくつかの推論例を実現するために, 演繹の他にアブダクションを実現するユニットを構成し, 本システムに組み込んだ. この拡張されたシステムを利用して, 推論プロセスで働く感性の類型とその結論に至る傾向を探った結果, 非妥当ながらもっともらしい推論プロセスの原理を考察した. そこでは, 商集合を構成する粒状化の粗さ細かさが「大雑把な感性」「適切にコントロールされた感性」「詳細にこだわる感性」「特定の部分にこだわる感性」など, 複数の典型的な人間らしい推論の類型化を得た. また, このような粒度の調整と感性の類型との対応を構成し, 粒度調整の設定の方策が推論のクセを記述するようにインプリメントできた. この粒度調整のバランス感覚を制御するアルゴリズムの設計は粒状性が局所的に異なるような粒状化を導入することで, 一定の結果を得た. 以上は, 次年度の信念形成シミュレーションに重要な役割を果たす予定である.
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