2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650061
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆夫 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (60272449)
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Keywords | アジアゾウ / 動物心理学 / 認知 / 視力 / 数の概念 |
Research Abstract |
19年度までに得られていた、アジアゾウに大小異なる2つの数量の報酬を提示し、どちらか選択した方をゾウに与えるという実験事態では、全頭が高い頻度で数量の多い方を選択する、すなわち、提示された報酬の数の大小を弁別し、より多くの報酬を得られるほうを選択するという結果を受け、今年度は、上野動物園のメス・アーシャと京都市動物園のメス・美都を被験体とした実験を実施し、昨年までの結果を確認すると共に、時間的遅延が相対的数量判断に影響しないという新しい知見を得ることができた。こうした結果を国際学会(ISBE2008)で発表し、さらに国内の学会でも数件の発表を行った。さらに、論文にまとめ現在投稿中である。また、国内外のメディアでも取り上げられた。被験体を増やすことが容易な海外(タイ)での実験を計画していたが、現地の政情不安のため中止せざるを得なかった。その代わり、国内で精力的に実験を実施した。視力測定に関しては、予備実験を実施した結果、試行数の多い実験の実施は難しく、これまで想定していた手法ではデータ取得が出来ないことが判明したので、少ない試行数である程度の推定値を得られ、かつ、他の種のデータとの比較に耐える手法の検討を開始した。論文一編がAniinal Cognition誌に受理された他、日本心理学会および日本動物心理学会の学術雑誌からゾウ研究に関する総説論文の依頼を受け執筆中である。アウトリーチ活動としては、メンバーの入江が第3回ゾウオロジーフォーラムの企画・運営のメンバーを務め、現在7月の開催に向けて活動している。
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Research Products
(6 results)