2007 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルデコンボリューションによる意図遂行予測アルゴリズムの開発と検証
Project/Area Number |
19650064
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
奥田 次郎 Tamagawa University, 脳科学研究所, 嘱託教員 (80384725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 正峰 東京大学, 工学研究科, 准教授 (50312989)
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Keywords | 非侵襲脳計測 / 機能的MRI / 記憶 / 行動意図 / 予測 / 計画立て / 内側前頭-側頭-頭頂葉 / 神経活動モデリング |
Research Abstract |
本研究の目的は、人間が行動の意図を形成するときの脳活動から、未来におけるその行動の実現を予測するアルゴリズムを開発することである。特に、機能的MRIによって神経活動に遅れて観測される脳血液動態の情報(MRI-BOLD信号)をボクセル毎の局所的神経活動の時系列に変換することにより、ひとつひとつの意図形成に対応した実時間的な神経活動を元にした正確な未来予測アルゴリズムの開発を目指す。 平成19年度は行動意図形成・遂行課題の構築ならびに当該課題中の機能的MRI計測を行い、計測データからの行動遂行予測の第一段階としてsubsequent memory effect解析(行動意図形成時の脳活動を後に遂行できた意図とそうでない意図とに分けて比較)を行った。その結果、過去の記憶の想起と未来の出来事の想像に関わることが示されている内側前頭一側頭一頭頂葉ネットワークが運動関連領野とともに未来の行動意図の計画時にも積極的に活動すること、特に運動手と反対側の小脳・内側側頭葉の活動が後に正しく再生される意図の計画時に有意に働くことが明らかとなった。これに対し、後に間違った内容の行動が再生されるような意図形成時には、意図形成に先立って前脳基底部周辺領域が過剰に活動しており、この余荊活動が正しい行動内容の記銘を干渉するような外乱的な働きを有する可能性が示唆された。 しかしながらこれら解析は後の意図遂行成績を知った上で時間的に前の脳活動を分類・加算しているに過ぎず、真の未来予測とは言えない。20年度は上記研究をさらに発展させ、機能的MRIで計測される血行動態反応のデータを実時間的な神経活動データに変換(デコンボリューション)、一回一回の意図形成時のデータから後の意図想起・遂行の成否を予測するような脳活動パターン分類アルゴリズムの開発を進める。
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Research Products
(4 results)