2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千原 崇裕 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (00431891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 正幸 東京大学, 大学院・薬学系・研究科, 教授 (50202338)
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Keywords | 神経極性 / カスパーゼ / イメージング / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
脳のような複雑な神経ネットワークを形成する神経細胞は、それぞれ「軸索」、及び「樹状突起」といった高度に極性化した構造を有している。しかし、「神経極性形成の分子機構」は未だ殆ど解明されていない。近年の研究動向から、研究代表者は「カスパーゼ(細胞死実行プロテアーゼ)が神経極性形成に関与している」という仮説を立て、この仮説検証に向け「脳内1細胞FRETイメージングによる神経極性研究」を行っている。 本研究の目標は、神経極性獲得過程におけるカスパーゼの活性化変動を「カスパーゼ活性検出FRETプローブ:SCAT」を用いて、脳内の1神経細胞で検出することである。平成19年度前半は、ショウジョウバエ成体脳においてSCATを発現させFRETの解消パターン検出を試みたが、定量的な解析に耐えうる結果を得られなかった。しかし、この結果からは「カスパーゼの活性化が本当に存在しないのか」「FRETの検出条件が良くないのか」を判定することは難しい。よって、神経系FRETイメージングを開始する前に、カスパーゼの活性化が強く検出される神経系の検索を開始した。カスパーゼの活性化が強く検出できる神経系・時期が明らかになれば、その場所、時期にSCAT解析を適応し、FRET検出条件などの検討に集中できるようになるという考えである。このカスパーゼ活性化部位・時期の検索には「PARP-Venus(NatNeurosci.9.1234-6,2006)」を用いた。これまで、胚期、幼虫期、蛹期、成虫期の脳内におけるカスパーゼの活性化パターンを解析しており、現在、FRET検出に耐えうる系の検索・検討を行っているところである。
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