2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650078
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澁木 克栄 Niigata University, 脳研究所, 教授 (40146163)
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Keywords | フラビン蛋白蛍光 / 経頭蓋イメージング / 体性感覚野 / 神経因性疼痛 / 末梢神経 / 自発発火 / GDNF / K252a |
Research Abstract |
神経因性疼痛の初期メカニズムを解明するため、マウス末梢神経を部分切除した後の体性感覚野応答を経頭蓋フラビン蛋白蛍光イメージング法で解析した。前肢掌側を支配している正中神経・尺骨神経を切除した直後、前肢掌側にブラシによる触刺激を与えると、体性感覚野応答は殆ど消失した。しかし、神経切除の3〜4時間後、体性感覚野応答の有意な回復が見られた。この回復した体性感覚野応答は、前肢背側を支配する橈骨神経・筋皮神経を切除することで完全に消失した。即ち、正中神経・尺骨神経の切除により、橈骨神経・筋皮神経の感度が異常に上昇し、体性感覚野応答の見かけ上の回復が生じたと思われる。次に神経部分切除による可塑性が、切除された神経を伝わる自発的な神経活動の伝導阻害によって生ずるのか否かを検証するために、TTXを正中神経・尺骨神経に局所的に投与したところ、3〜4時間後には神経部分切除後と同様な効果が見られた。また神経切断箇所の中枢端を低頻度で電気刺激すると、体性感覚野応答の回復が阻止された。神経栄養因子のGDNFは神経切除に伴う疼痛を抑圧すると報告されている。そこで神経切除実験でGDNFを正中神経・尺骨神経の中枢端に投与すると、体性感覚野応答の回復が起こらなかった。しかしGDNFにTTXを加えて投与すると応答は回復した。さらに末梢神経を切り出し、GDNFを投与すると低頻度の自発発火活動が生ずること、麻酔したマウスの末梢神経には低頻度の自発発火が存在し、この発火頻度がGDNF受容体の機能を阻害するK252aの投与によって低下することを確認した。以上の結果から、GDNFのような内因性物質が末梢神経に作用して自発発火を引き起こしていること、この内因性物質による末梢神経の自発発火が体性感覚野応答の恒常性を保っていることが示唆された。
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Research Products
(12 results)