2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650093
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 正身 Kitasato University, 医学部, 教授 (10318826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 等 北里大学, 医学部, 教授 (40209862)
鈴木 映二 国際医療福祉大学, 熱海病院, 教授 (60226496)
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Keywords | 拒食 / ストレス / グルココルチコイド / SNAP-25 / リン酸化 / 神経ペプチド / 情動異常 / 脂肪代謝 |
Research Abstract |
PKCによるリン酸化部位のSer187をAlaこ置換したSNAP-25のノックインマウスは、高ストレス環境下で飼育すると強い拒食に陥り、致死に至る。ストレスによる拒食の脳内機所を明らかにするため、ストレスホルモン応答を調べた。拘束ストレスを加えると血中コルチコステロン濃度が上昇したが、その速度には野生型と変異型で顕著な差は認められなかった。このためストレスによる拒食は、ストレス応答の異常ではなく、何らかの脳内機序の変化によるものと考えられた。脳内でグルココルチコイド受容体が最も高密度で発現する海馬で、その発現量をイムノブロット法で調べたが顕著な差は認められなかった。その一方で、視床下部で摂食制御に関わることが知られている神経ペプチドであるニューロペプチドY(NPY)の発現が、ホモ変異体の視床下部のみならず、海馬や大脳皮質で著しく増加していることが明らかとなった。 NPYの発現上昇は生後3週齢頃から始まり、7週齢頃に最大に達した。NPYレセプターの発現変化をイムノブロットで調べたところ、海馬においてY2レセプターの発現が生後5週齢頃から大きく増加することが明らかとなった。SNAP-25のノックインマウスは通常に飼育しても体脂肪の蓄積がわずかにしか起こらないと言う特徴を併せ持つ。その原因を明らかにするため、通常ケージでの摂食量と体重変化を調べたところ、摂食量には野生型との間に顕著な違いが見られなかった。さらに高脂防食を与えても体重増加はほとんど変わらないことから、エネルギー代謝に何らかの異常が生じていることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)