2008 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉を用いたインビボ神経節遺伝子発現ノックダウン法の臨床応用可能性の検証
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19650095
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 総夫 Jikei University School of Medicine, 医学部, 教授 (20169519)
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Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / 生理学 / シグナル伝達 / トランスレーショナルリサーチ / RNA干渉 / 遺伝子治療 / ATP受容体 |
Research Abstract |
In vivo神経節gene silencing法の方法を確立した。同方法を応用し、内臓由来一次求心線維の脳内終末に発現すると予想されているP2X3サブユニット分子(p2x3r)をノックダウンした。ノックダウンの効果を(1)頚部節状神経節mRNA発現量、(2)抗P2X3分子抗体による延髄孤束核の免疫組織化学、および、(3)脳スライス孤束核2次ニューロンからの自発グルタミン酸放出促進効果解析によって評価した。(1)標的領域の異なる3種のsiRNAのいずれによっても選択的(PBSおよびrandom siRNA導入の影響はほとんどなし)かつ効率的(いずれのsiRNAでも5-10%まで低下)にmRNA量が減少した。(2)導入11-15日後、孤束核におけるP2X3サブユニットタンパクの発現はsiRNA導入側特異的にほぼ半減した。(3)興奮性シナプス後電流頻度に及ぼすATPおよびα,β-methylene ATPの効果を定量的に評価した。siRNA非導入側においてα,β-methylene ATP(0.1mM)はATP(0.3mM)の約125%の頻度上昇を引き起こしたが、導入側においては約45%まで著明にかつ有意に減少した。これらの応答は60sの投与期間中ほぼ持続するため、脱感作の遅いP2X2/3ヘテロ受容体型の応答がP2X2ホモ受容体型に変化した可能性が強く支持される。ATPに対する反応が約70%まで減少した事実も、一次求心神経終末シナプス前膜に発現しているヘテロ受容体数が減り、ホモ受容体が増えた可能性を支持している。以上、in vivo神経節genesilencing法によって、mRNA量、タンパク発現量、機能的表現型のすべてが効率的に修飾され、脳内シナプス前受容体のサブユニットが変換されうることが示された。平成21年度は呼吸の化学応答と脳内P2X作動薬刺激の効果をin vivoで観察する。
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Research Products
(13 results)