2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス・コンソミック系統群に見出された統合的致死現象の原因遺伝子の解析
Project/Area Number |
19650105
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大野 民生 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90293620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 勤 名古屋大学, 医学部, 准教授 (20378219)
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Keywords | マウス / コンソミック系統群 / 統合的致死現象 / リコンビナント近交系 |
Research Abstract |
2種のコンソミック系統(A-7A^<SM>,A-7B^<SM>)においてSM/Jのホモ個体が得られない領域をMitマーカーにより解析した結果、その領域はD7Mit125-D7Mit355(最大1.59Mb)であった。Chr.7の中央部がA/J系統とSM/J系統のヘテロ型になっている個体同士の交配では、出生直前(E18.5)までホモソミック個体が期待分離比通り生存し、外見上ホモソミック個体に全く異常は認められなかった。しかし、生後1日の時点ではホモソミック個体は観察されず、分娩直後(出生後2時間以内)の観察では、既に死亡したホモソミック個体が複数発見された。また、帝王切開したホモソミック個体の肺の伸展は悪く、換気に障害があり死亡するる可能性が推定された。次に、A/J系統とSM/T系統を起源として樹立された23系統のSMXAリコンビナント近交系群について全ゲノム領域を網羅的にカバーするSDP(Strain Distribution Pattern)により、Chr.7の中央部のSM/J系統由来の領域と相互作用して致死現象を起こすA/J系統由来の遺伝子の存在領域の特定を試みた。その結果、Chr.4(D4Mit214)とChr.X(DXMit64)に致死遺伝子が存在する可能性が示された。そこで、その結果を以前に作出した207匹の(SM/J×A/J)F2群を用いて検証したところ、これらの領域にはA/J系統由来の致死遺伝子は存在しないことが判明した。即ち、SM/J系統由来の遺伝子(Chr.7)と相互作用しているA/J系統由来の染色体領域を見出すことはできなかった。したがって、SM/J系統のChr.7の中央部に存在する遺伝子とA/J系統由来の遺伝子が相互作用して致死に至るのではなく、コンソミック系統作製の過程でSM/J系統のChr.7の中央部に存在する遺伝子に致死的な変異が起きたため、その変異がホモ型となる個体が致死となっている可能性が推定された。
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Research Products
(1 results)