2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨の力学的適応現像の解明を目指した骨組織形成過程のその場観察系の確率
Project/Area Number |
19650114
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 健郎 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (30209639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長山 和亮 名古屋工業大学, 大学院工学研究科, 助教 (10359763)
|
Keywords | バイオメカニクス / 機械材料・材料力学 / 生物・生体工学 / 細胞・組織 / 力学的適応 / その場観察 |
Research Abstract |
骨組織の力学的最適性達成のメカニズムを探るために,幼若骨組織(生後2〜4日齢の鶏雛脛骨近位端付近より骨軸に垂直に切り出した薄切片)を薄切して顕微鏡下でその骨形成の過程を直接観察しながら組織培養し,組織に力学的刺激を加えた際の影響を観察する系を組むことを目的として2年間の研究を進めている。研究初年度の本年度は,まず,骨構造の形成に重要と考えられる石灰化過程とコラーゲン線維の走行変化を明瞭に捉える観察方法を確立した。すなわち,石灰化領域は薄切試料において透過光が暗く見える領域であることを見出し,コラーゲン線維については偏光顕微鏡を利用して配向を観察する方法を確立した。次に,骨形成に伴う変化を観察するため,倒立型顕微鏡ステージ上に2枚の保温プレートでトップヒータ,ボトムヒータを構成し,この間に加湿・ガス調整用のチャンバを挟み込んだ培養装置を試作した。薄切試料の厚みは試料の光透過性と取り扱いのし易さから200μmに決定した。試料は現有するマイクロスライサで薄切するが,この装置は無菌的操作を前提とした装置ではないので,試料の無菌状態を保つように操作方法を工夫した。すなわち,薄切試料を10%ペニシリンストレプトマイシンを添加したリン酸緩衝液を用いて5s洗浄することで組織内の細胞の生存率を低下させることなく培養できることを見出した。試作した装置を用い,生後2日齢の鶏雛脛骨の成長に伴う骨組織の変化を観察した。その結果,透過光像を二値化して得た石灰化領域の進行速度は,本装置で24時間培養した薄切片でも,生後1日齢の鶏雛脛骨でも同様であり,本培養法が有効であることが確認できた。
|
Research Products
(7 results)