2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650119
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 Keio University, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 満理子 慶應義塾大学, 理工学部, 名誉教授 (00051368)
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Keywords | 肝細胞 / 内皮細胞 / 積層化 / 医工学 / ミクロ領域 / 3次元組織形成 / 胆管 / ネットワーク |
Research Abstract |
肝臓の再生を目的として、これまで肝臓の毛細胆管の形成に成功したが、毛細胆管は胆管に連結して、腸に胆汁を排出するため、胆管の組織形成が必要となる。そこで、19年度では、胆管のシステムデザインの方法について明らかにした。そこで、本研究では、胆管上皮細胞(Biliary Eithelial Cells:BECs)に分化を誘導すると言われているDMSOを添加して、胆管様管腔形成する事を見出した。さらに、管腔構造の形成過程、形成された管の分泌能についても検討を行った。コラゲナーゼ灌流法により成体ラット肝から肝細胞を除き、胆管上皮細胞を分離した。この細胞をコラーゲンゲル上で、単層培養し、培養4日目にコラーゲンゲルを被せてゲルサンドイッチ培養に移行した。培養8日目から、1%DMSOを培養液に添加した。コロニーの形態変化を位相差顕微鏡により経時的に観察し、形成された管構造の断面を透過型電子顕微鏡で観察した。免疫染色により管腔構造を形成した細胞の表現型を確認し、Fluorescein Diacetate(FD)の投与により、管腔形成の細胞の分沁能を調べた。BECsはコラーゲンゲル上での培養において、遊走・増殖し、コロニーを形成した。ゲルサンドイッチ培養開始後数日で小細管構造(Small Bile Duct structure:SBD)が形成され、その後DMSOを添加して10日間培養を続けると細胞が立体的に配列し、管腔構造(Large Bile Duct structure:LBD)が形成された。透過型電子顕微鏡により横断面を観察すると、SBDは2-3個の細胞で構成されており、直径は約30-50μmであった。LBDの内腔面には微絨毛が見られ、基底側には基底膜が存在し、タイト結合も見られるなど生体内の細胆管に類似した構造を有していた。LBD形成細胞は、胆管上皮細胞マーカーであるCytokeratin19,α-gutamyl transpeptidaseに共に腸性であった。またSBDではFDの排出は見られなかったのにたいし、LBDではFDが管中に排出され、排出能を有していることが明らかとなった
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