Research Abstract |
本研究の目的は,「細胞の新規パターンニング法,分離,捕捉法を確立する」ことにある.また,異種細胞の分離,細胞ネットワーク構築について検討する.本年度は,細胞モデルとして微粒子を用いて,誘電泳動をによるタパーンニングについて検討するとともに,細胞を用いたパターンニングに関しても検討した. ・微粒子を用いたパターンニング:負の誘電泳動(n-DEP)を利用し,鋳型電極の繰り返し利用が可能な微粒子の一括・迅速なパターニングを行なうデバイスを開発した.交互くし型パターン(IDA)を有した鋳型電極基板と支持基板をスペーサー(厚さ10ミクロン程度)を介して重ね合わせ,鋳型電極の間に交流電圧(3MHz,40Vpp)を印加すると,両基板間の微粒子は電極真下に移動し鋳型電極と同様のパターンで配列した.さらに,架橋剤を用いることにより化学反応により微粒子のパターン固定することができた.また,グリッド状パターンも作製することができた. ・細胞のパターンニング:n-DEPを用いて局所領域への細胞パターニングに関して検討した.細胞懸濁液(C2C12細胞)をパターニングデバイスに導入し,交流電圧(1MHz,12Vpp)を印加した.5min間の交流電圧の印加により細胞は,鋳型電極基板の形状を反映して550ミクロン間隔に支持基板である細胞培養用スライド基板に吸着し,パターンニングが達成された. ・微粒子・細胞の分離と捕捉:n-DEPを利用した細胞・微粒子の分離・捕捉用マイクロ流路デバイスを作製した.ナビゲーション電極,ケージ電極,キャップ電極を配置したマイクロアレイ電極基板を,上記の手法で流路デバイス化し,直系3-6ミクロンの微粒子を流したところ,交流電圧印加(1MHz,10Vpp)で微粒子の流れを変え,特定の微小領域に捕捉できることが明らかになった.また,このデバイスを細胞に適用することも可能であった.
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