2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650126
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山元 和哉 Kagoshima University, 大学院・理工学研究科, 助教 (40347084)
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Keywords | フェリチン / 刺激応答性高分子 / MRI造影剤 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
構造制御された刺激応答性高分子の調製および球状フェリチンとの安定な二次元ナノ反応場の構築を目的とし、刺激応答性高分子の分子量や弱電解質の分布を制御し、フェリチン粒子間の接合界面距離(分布)、フェリチン種により内部空間としてのナノ空間反応場の構築を検討した。まず、リビングラジカル重合により刺激応答性高分子の調製とモデル化合物としてデンドリマーへの表面固定化を検討した結果、リビングラジカル重合の一つである原子移動ラジカル重合により、構造制御された刺激応答性高分子を調製し、水溶液中での連鎖構造に由来した溶解性を示すことを明らかとした。さらにデンドリマー表面に二元もしくは三元ブロック共重合体を固定化することで、水溶液中で自己組織化に伴う構造化が確認された。一方、フェリチンを用いたナノ反応場の構築として、高分子強電解質上への自発的な静電吸着過程を利用したフェリチンおよびアポフェリチンの二次元配列の吸着挙動を水晶発振子マイクロバランス(QCM)法により定量的に解析した。等電点以上ではカチオン表面へ、等電点以下ではアニオン表面への選択的な吸着が観察され、静電的な相互作用により高分子電解質薄膜表面に吸着していることがわかった。またLangmuirプロットによりフェリチンおよびアポフェリチンが単層吸着であることが示唆され、被覆率はタンパク質濃度により容易に制御可能であり、結合定数はほぼ同等の値を示すことを明らかとした。さらに高分子薄膜上に静電的に固定化させたフェリチンおよびアポフェリチンのバイオミネラリゼーションをQCMにより定量的に評価した結果、単層配列したアポフェリチン固定化膜は、適当な鉄イオン濃度条件下での溶液中に浸漬することにより、内部空間サイズに依存した鉄コアの形成が示唆された。
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Research Products
(3 results)