2007 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射放出型の抗癌剤マイクロカブセルによる低侵襲粒子線癌治療技術の研究
Project/Area Number |
19650128
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺川 貴樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10250854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 伸彦 北里大学, 獣医学部, 教授 (00159899)
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Keywords | 陽子線治療 / 抗癌剤内包マイクロカプセル / 拡大ブラッグピーク / 薬剤伝達技術 |
Research Abstract |
本研究は、生体に投与可能な抗癌剤内包マイクロカプセルを用い、陽子線照射によるブラッグピーク領域でカプセルを破壊し内包抗癌剤を長期間持続的にリリースさせることにより、腫瘍領域のみの高濃度薬剤分布と陽子線治療の相乗効果で、抗腫瘍効果を得る粒子線薬剤伝達技術の開発を目的とする。腫瘍内に抗癌剤カプセルを投与後に、カプセルが血流で移動せずにそのまま腫瘍内に留まり、持続的に薬剤溶出させるため直径が数十から数百μm程度のカプセルを作製した。研究期間は2年間であり、初年度の平成19年度では、マイクロカプセルの開発、および水ファントム中におけるマイクロカプセルの陽子線照射による内包抗癌剤の溶出実験を下記の方法・条件により実施した。 カプセル形成は、アルギン酸ナトリウムを主成分とする混合物の水溶液を、液体微粒化技術によって、抗癌剤を混入したCaCl_2溶液中に噴霧しカルシウム重合によりゲル化する手法を用いた。抗癌剤はこの過程においてカプセルに内包される。現時点で、直径が数百μm程度のマイクロカプセルが得られ、拡大ブラッグピークを形成する80MeV陽子線を用いて水ファントム中でマイクロカプセルを照射した。具体的には、深部線量分布とカプセルからの抗癌剤溶出度の関係を得るために,抗癌剤カプセルを浮遊させたTHAM緩衝剤入りのアクリル容器を水ファントム中の異なる深度に設置して陽子線を照射した。その結果、50Gy程度の線量でカプセルの変形と抗癌剤の溶出が確認でき、溶出率の線量依存性データを取得した。
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