2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中者への在宅生活支援チーム・アプローチとしての訪問リハプログラムの開発と評価
Project/Area Number |
19650141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上村 智子 Shinshu University, 医学部, 教授 (80280204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横川 吉春 信州大学, 医学部, 准教授 (50362140)
上原 ます子 信州大学, 医学部, 教授 (10203473)
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Keywords | 訪問リハビリテーション / 住環境整備 / 高齢者 / 転倒 |
Research Abstract |
脳卒中者の地域社会での効率的な生活再建を支えるために,訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)の重要性が指摘されている.欧米の先行研究では多職種連携チームで行う訪問リハの効果が報告されているが,日本ではプログラムの構造化や効果検証はほとんど行われていない.平成19年度は,住環境整備の視点から訪問リハの課題を整理し,プログラム開発の予備的研究を行った.複数機関の多様な専門職が関与する退院時の住環境整備の課題を抽出するために,退院時に介護保険を用いて住宅改修した人の6ヶ月後の追跡調査を行った.対象は要介護1以上の長野市民34名とした(74.2±7.6歳).入院理由は脳卒中14名(41.2%),大腿骨骨折9名(26.5%),腰椎骨折&腰部脊柱管狭窄症5名(14.7%),その他6名(17.6%)であった.調査の結果,利用者の移動能力に変化がなくても,改修設備の未活用や改修の修正を要する事例が少なくなく,利用者の心身機能や環境や希望に合わせた退院時改修を推進する施策の必要性を確認した.次に,実用性の高いプログラム開発を目指して,長野県の訪問リハ実務者(PT,OT,ST 総数80名)との討議を行った.討議の結果,開発するプログラムには利用者の状態に加えて,施設の体制やスタッフの経験によってプログラム内容が多様である訪問リハの現状に対応可能なプログラム構成,およびスタッフ教育用のツールが必要であることを確認した.そして,住環境整備に関するスタッフ教育用ツール選択のための文献研究を行った.研究では,高齢者の自宅での転倒ハザードの評価ツールを系統的にレビューした.研究の結果,英語版には利用者の生活動作を評価する専門職(OT)が自宅での転倒ハザードを査定するツール(例.Westmead Home Safety Assessment, Home Falls and Accidents Screening Tool)があったが日本語版にはなく,在宅高齢者の転倒ハザードを査定する日本文化に適合した住環境評価ツール開発の必要性が示された.
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