2007 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピン人看護師・介護士の人材育成・適合プログラムの作成と検証
Project/Area Number |
19650143
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中園 直樹 Kobe University, 医学部, 教授 (50113593)
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Keywords | フィリピン人 / 介護士 / 看護師 / 老人看護・介護 / 外国人労働者 |
Research Abstract |
フィリピンから看護師・介護士のわが国への受け入れの問題点、特に資格条件に関してのフィリピン側の認知状況とわが国の受け入れ側の施設(今回は老人福祉施設)についてそれぞれ現地に赴き調査した。 フィリピンの看護大学と臨地実習病院で、教員と病院職員と学生(看護師と介護士)についてアンケート調査を聞き取りで行った。また、職員が学生に与える指示や注意等を現地調査した。いずれも英語であるので、特に問題なく調査できた。予備調査であるが、教員や職員は日本語の習得と日本語で出題される夫々の国家試験はフィリピン人にとっては不当にハードルが高いと見ており、殆どの学生は日本行きを希望しないで英語圏へ移動すると答えている。一方、学生では特に介護士コースでは得られると想像する賃金から困難があっても日本行きを希望する人が多いが、日本語での国家試験の内容を殆ど知らない。看護系学生は文化的憧れ、また自己の技術的能力の向上(日本の高度医療機材への憧れ)と看護師としての職業意識から日本の病人(半数以上の学生は急性期の高度医療の対象の患者をイメージしており、残り半数は慢性疾患や老年期医療や高齢者介護が対象と思っている)へのケアと自己成長のため日本に行ってもよいと考えているものが約半数近くいる。しかしその受け入れ就労条件が日本語の習得後に、日本の看護師国家試験(日本語で出題された)の合格ということは殆ど認職されていない。但し得られると想像する賃金には魅力を感じている者が少なくない。但し英語圏で既に看護師として得ている賃金との比較では特定の国(中東の国)を除いては、日本より米国、カナダ、英国、オーストラリアに行きたがっている。 受け入れ側の日本の施設に関しては、非常に関心を示している仙台の某老人福祉施設での面談(運営者、施設職員、施設入所者、その家族)を行ったが、少数であるので、更に調査施設を増やす予定である。
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