2008 Fiscal Year Annual Research Report
微弱直流電流刺激療法による電気走性を利用した褥瘡局所治療に関する研究
Project/Area Number |
19650144
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
杉元 雅晴 Kobe University, 保健学研究科, 准教授 (20379457)
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Keywords | 褥瘡 / 物理療法 / 直流微弱電流刺激 / 肉芽 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
対照群と電流刺激群を無作為に分け、二重盲検法にて実験研究を実施した。電気刺激群には白金電極(成分;白金99.98%)により直流微弱電流刺激条件(周波数;0.3Hz,電流強度;200,400,600μA,通電時間;20分間)にて、ディシュ内の線維芽細胞に通電した。尚、対照群は同様の設定をするが、通電しなかった。出力精度の確認実験をもとに直流微弱電流刺激装置ES-520および通電時間と極性を改良したtrio300(伊藤超短波株式会社製)を使用した。(神戸大学倫理委員会で承認済) ディシュ(直径35mm)を活用して、ディシュ(直径100mm)内に線維芽細胞を均等に円状に播種し、両端に白金電極を置き、クリーンベンチ内にて直流微弱電流刺激を実施した。直流微弱電流刺激を20分間/日を1週間継続しても、遊走を十分に促進することができないことが確認できた。そこで、長時間不適切な環境下で実験を継続することができないので、インキュベーター庫内(温度;36℃、CO_2濃度;5.0〜5,5%)にて、4時間連続して電流刺激(周波数;0.3Hz,電流強度;200,400μA)を加えた。両実験とも蓄電効果を解消するため、通電終了後に両極をシャントした。また、線維芽細胞凝集塊の浮遊による移動を除外するために、通電前に紙面に細胞の遊走状況を記録した。その結果、後者の条件の方が、遊走促進効果が高いことが確認できた。 このことにより、線維芽細胞の遊走(電気走性)を促進する適切な刺激条件を確認することができる.褥瘡の治癒過程で肉芽増殖を促進する時に創縁に設置する電極の極性と電流強度を厳密に設定する根拠を提案することができるので、今後の臨床治療研究の基盤となるデータとしての意義がある。
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Research Products
(3 results)