2007 Fiscal Year Annual Research Report
世界初徒手筋力検査学習用の患者シミュレーションロボットの開発
Project/Area Number |
19650156
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
小林 邦彦 Chubu University, 生命健康科学部, 教授 (30001051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷 和徳 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (10357775)
河上 敬介 名古屋大学, 医学部, 准教授 (60195047)
宮津 真寿美 名古屋大学, 医学部, 助教 (50335056)
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Keywords | 徒手筋力検査 / ロボット / 肉眼解剖 / 膝関節 / 教育 |
Research Abstract |
リハビリテーション医療でよく用いられる徒手筋力検査施行時に、検査者が非検査者に加える抵抗(押し付け力)を経時的に測定できる,患者シミュレーションロボットを試作した,出来るだけ人に近いロボットの試作のために,まずヒト解剖遺体を用いた肉眼解剖学的研究により、下肢の寸法や質量分布に関する情報、筋の付く位置や付き方に関する情報、皮膚表面に相当する表面形状に関する情報を収集した.収集した情報を基に,ロボットにおけるヒトの骨盤部,大腿部,下腿部,足部にあたる部品を作製した.また,検査者が被検査者(健常22歳男性)に対して,膝伸展の徒手筋力検査を施行した時の,被検査者の膝の関節角度の変化を,2軸電気ゴニオメータを用いて測定した.その結果,検査時に本来屈曲していないはずの膝関節が,押しつけ力に伴い屈曲していくことが判明した.この結果の解析から,ロボットにおける膝伸展機構の力源には,バネ定数39.2N/mm(4.00kg/mm),外径50φx100Lのバネが適していることが判明した.なお,このときの検査者が被検査者の下腿部に加えた押しつけ力を測定した結果,ロボットに内蔵する検査者の押しつけ力を測定するためのセンサには,定格容量が500Nの引張圧縮両用型小型ロードセルが適していることが判明した.完成したロボットに対する,徒手筋力検査熟練者(臨床に勤務する理学療法士の免許を有す者)の筋力測定時の抵抗の加え方特性を測定した.その結果,熟練者における膝伸展力の徒手筋力検査に要する時間は平均4.3±1.1秒,最大押しつけ力は平均197±48Nであることが判明した.また,最大押し付け力に達するまでの力の加え方の変化についても解析できた.これらの結果は,学生が徒手筋力検査を行う時の押し付け力評価のための基礎的情報となり,熟練者と学生の違いや,学生への教育効果を評価するための重要な知見となると考える.
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Research Products
(2 results)