2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650160
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
梅澤 章男 University of Fukui, 教育地域科学部, 教授 (70151925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗倉 啓 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (20154685)
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Keywords | 呼吸 / リズム / 情動 / セロトニン / ストレス / 健康 / 副交感神経系 / 圧受容体反射感度 |
Research Abstract |
本研究は,子ども達の呼吸パターンの実態を把握することと,快適なリズム性呼吸を習得するための教育方法の開発を目的としている。本年度は以下(1)から(3)を実施した。 (1)教室場面で子どもの呼吸を測定し,信頼性のあるデータを計測するための準備研究を実施した。LifeShirtシステム(米国VivoMetric社)を用いて,自由行動時の呼吸測定を実施した。これまで大きな身動きがある場合,信頼性のある呼吸運動の計測は困難であったが,男女の幼児,成人に対する測定結果から,歩く,走るなどの身体運動時においても,安定した胸郭と腹部の呼吸運動測定が可能なことを明らかにした。呼吸流量計との同時計測結果から,LifeShirtの呼吸運動データから換気量を推定することが可能であるとの所見を得た。以上の結果から,教室場面で信頼性のある呼吸測定は可能と結論できる。 (2)リズミックな呼吸のコントロールに関する基礎データを収集した。ストレス緩和のために日常生活で行われているリズム呼吸の実態を質問紙により調査した。その結果,ゆっくりした深い腹式呼吸がストレス緩和に効果的だと考えている者と,ゆっくりした深い胸式呼吸が効果的だとする者がいることを見出した。 (3)リズム性呼吸の生理心理的効果を確認するために,リズム性呼吸実施時の動脈血圧と心電図波形から圧受容体感度(BRS)を推定した。BRSは副交感神経系活動を反映する指標であるが,リズム呼吸によりBRS増加が示されることを見出した。 以上の研究成果から,教室場面における呼吸測定を授業の一環として実施するための準備は整ったことになる。
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