2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650174
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仰木 裕嗣 Keio University, 政策・メディア研究科, 准教授 (90317313)
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Keywords | 水泳 / 推進力 / 慣性センサ |
Research Abstract |
研究期間2年目の平成20年度は,当初予定した実験施設が突然の補修工事のために実験を執り行うことが出来なかった.従って,研究予算を繰り越した上で研究期間3年目の平成21年に回流水槽における基礎的計測実験を行った. 本研究の最終目的は,泳者の手掌部に作用する流体力を身体,ここでは手首に装着した慣性センサによって推定する,というものであった.これを達成するために本研究では,(1)水泳用無線慣性センサの開発,(2)推進力の推定,(3)リアルタイム推進効率評価ソフトウエアの開発,を3つの研究課題とした.(1)の水泳用慣性センサの開発については完了した.しかしながら,上肢に作用する流体力推定のために用いた圧力センサに計測上の問題点があり,これが研究を頓挫させた.従前より用いられてきたひずみ式圧力センサによる圧平衡を作り出すことが,水泳環境においては極めて困難であった.動的水圧測定が安定して行えなかったために結果として,手掌部ならびに上腕部に作用する流体力の推定に至らなかった.上肢/下肢が泳動作を行う状況での実験にはこのような問題が生じて従前からの計測手法そのものに対する疑義が残った.回流水槽による実験にならんで競泳におけるスタート/ターン局面とその後に引き続く浮き上がり局面の分析においては,実測およびコンピュータシミュレーションによって最適ドルフィンキック周波数/振幅についての一提案をすることができた.
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