2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤本 敏彦 Tohoku University, 高等教育開発推進センター, 講師 (00229048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 学 サイクロトロン, ラジオアイソトープセンター, 准教授 (00333477)
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Keywords | 運動 / PET / 脳活動 / 情動 / 脳機能画像 |
Research Abstract |
【目的】本研究はヒトを対象に、ポジトロン断層法(PET)と糖の疑似体である18F-フルオログルコース(18F-FDG)を用いて、運動後の10分目の脳活動を観察することであった。【方法】被験者は健康な男子大学生10名(年齢21.1±1.5歳、最大酸素摂取量43.3±5.3ml/kg/min)であった。被験者は実験日7日前から、系統的な運動・スポーツ活動を中止した。被験者は運動実験と安静実験の2回の実験に参加した。被験者は実験当日約6時間の絶食後、運動または安静を開始した。運動は最大酸素摂取量(VO2max)の55%強度での30分間の自転車運動であった。運動終了10分後に18F-FDGを肘動脈より投与し、その後約30分間の安静を取った。安静終了後、脳のPET撮影を開始する。安静実験では30分以上の安静の後、18F-FDGを投与し、その後さらに約30分間の安静を取った。画像処理はPET画像の解析はソフトウェアSPM2用いて演算処理した。【結果】相対的18F-FDGの取り込み(相対的糖取り込み)は運動後に、安静時と比べ扁桃体と海馬の接合部に有意な上昇が認められた(p0.005,uncorrected voxel>30)。また絶対的18F-FDGの取り込み(相対的糖取り込み)は運動後に広範囲の脳領域で低下が認められた。特に運動野、感覚野周辺の絶対的糖取り込みが減少した。【考察】運動後に扁桃体と海馬の相対的糖取り込みが上昇した。運動による海馬の神経細胞の新生が報告されている。運動後の扁桃体と海馬の相対的糖取り込みの上昇は、脳の活動亢進を示唆している。神経細胞新生などの運動による脳の可塑を捉えた可能性が考えられた。また、絶対的糖取り込みの低下は、運動後の脳が、糖以外のエネルギー源、おそらく乳酸を積極的に使用していることを反映していると考えられた。
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Research Products
(3 results)