2007 Fiscal Year Annual Research Report
内因性の成長ホルモン分泌促進因子グレリンはドーピングの禁止薬物の対象となるか
Project/Area Number |
19650181
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
児島 将康 Kurume University, 分子生命科学研究所, 教授 (20202062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 貴弘 久留米大学, 分子生命科学研究所, 講師 (50368883)
井田 隆徳 久留米大学, 分子生命科学研究所, 助教 (00381088)
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Keywords | グレリン / ドーピング / 成長ホルモン / 摂食亢進 |
Research Abstract |
(1)グレリンの自律神経調節作用摂食促進ホルモンのグレリンについて,グレリン欠損マウスを作成し,その遺伝的背景をC57BL/6Jに整えた上で摂食行動などの解析を行った。非侵襲的に血圧、心拍数、体温などの自律神経機能を調べた結果,グレリン欠損マウスは血圧不安定,体温維持機構の異常,消化管運動の低下,血圧、体温の日内リズム異常など,自律神経系の異常を示すことが明らかになった。運動選手に限らず,一般人においてもストレス時においては単に摂食障害だけでなく,その他の様々な異常を訴える。これらは血圧、体温、消化管機能などの自律神経系の異常が多く,今回のグレリン欠損マウスの表現型との関連が興味深い。 (2)グレリンの骨格に対する作用 摂食調節ホルモンと骨分化,骨形成との関連はよく指摘されていたが,グレリンと骨との関連は不明であった。今年度,われわれはグレリンと骨代謝との関係を研究した。その結果,グレリンは骨芽細胞に直接作用して,その分化を誘導し,骨形成を促進することが明らかになった。グレリンの骨作用は,その成長ホルモン分泌促進活性から,成長ホルモンを介した間接的な作用も考えられた。しかし,成長ホルモン欠損ラットを使った実験から,グレリンが直接,骨芽細胞に作用して,骨形成を刺激することが明らかになった。また実験動物にグレリンを投与すると,骨密度が上昇することも確認し,骨折や骨粗鬆症の治療応用につながると期待される。
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Research Products
(4 results)