2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
中岡 泰子 Shikoku University, 生活科学部, 准教授 (80248319)
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Keywords | 親子関係 / 支援構造 |
Research Abstract |
子どもの問題行動の背景にある家族の支援システムの変化や低下が指摘されている。本研究は,まず現代の親の子どもに対する支援行動が1996年調査と比較して,どのように変化しているのかを調査し,明らかにすることを目的としている。今回の調査対象者の中学生の親は1960年から1965年頃に生まれた新人類世代で,団塊の世代と団塊ジュニアの中間に位置する。この世代は,生まれた時から家にテレビがあった最初の世代とされ,それまでの世代とは違った新しい価値観を持つ世代とされている。 親の支援行動については,ポジティブな支援行動として「賞賛」「自己決定の尊重」「奨励」「献身」「受容」「協力」「承認」,ネガティブな支援行動として「過干渉」「過保護」「過剰期待」「禁止」「強制」「放任」「無視」からなっているが,10年前の親世代と比べて,母親の「過干渉」「過保護」傾向が進み,男子に対しては「過剰期待」が強くなっていた。父親不在の傾向はさらに進み,より「放任」の親が増加していた。親からすれば良いと思ってしているが,子どもにとってはネガティブな支援の増加によって,本来なら癒しの場である家庭が,子どものストレス源になっていることが,今回の調査を通して確認できた。また,親は,子どもの心の不安や心理社会的ストレスに気づき,救いの手を差しのべることが必要だが,それができていない親も一部おり,親側も多くの問題を抱えていることが明らかになった。 次の研究の段階としては,調査結果を基に,実践的な子育て支援Webシステムを開発する。
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