2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19650206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
真部 真里子 Doshisha Women's College of Liberal Arts, 生活科学部, 准教授 (50329968)
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Keywords | 鰹だし / 減塩 / におい / 前鼻腔 / 後鼻腔 |
Research Abstract |
今年度は、研究計画に基づいて、まず、GC-O分析による各鰹だしの前鼻腔経由のにおいプロファイルの作成を行った。同一の鰹より加工された荒節、裸節、本枯節から調製した鰹だしのヘッドスペース中の香気成分を固相マイクロ抽出(SPME)法によって抽出し、におい嗅ぎ装置付GCにてGC-O分析を行い、各鰹だしのアロマグラムとスニッフィングによるプロファイルを作成した。荒節だしには、特有のにおいは見出せなかったが、他のだしと同じ保持時間に、同様のにおいながら、少し異質なにおいを含むものがみられた。また、本枯節だしには、他の2つのだしに認められなかったRT30分の「土(金属系)」のにおいが認められた。また、RT12分の「綿菓子」、RT21分の「魚の生臭さ」、RT26〜27分の「ポップコーン」のにおいは、荒節、裸節、本枯節と加工工程が進むほどに強度が高くなった。 次に、官能評価によって各鰹だしの前鼻腔経由のにおいの減塩効果についても検討した。被験者には、3種のだしのにおいを嗅ぎながら0.68〜0.93%の5段階濃度の食塩水とにおいの付加のない0.80%食塩水の塩味強度を比較してもらった。その結果をプロビット法により解析したところ、荒節だし、本枯節だしのにおいには塩味増強傾向が見られたが、いずれも顕著な効果は無かった。しかし、嗜好調査においては、全てのだしのにおいの付加によって、濃度の低い食塩水への嗜好性が上昇した。 以上のことから、鰹だしの前鼻腔経由のにおいは、顕著な塩味増強効果は認められないものの、嗜好性を向上させることによって、減塩効果を示すと考えられた。
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