Research Abstract |
食事日誌記述法を構成する質問項目確認・修正のための予備調査をおこない,予備調査結果の分析に基づいて日誌記述法の項目を確定し,「ミールダイアリー」を製作・印刷した。 予備調査では,基本プロファイルデータ項目ならびに,毎回(一日三食,間食・夜食を含む)の食事選択における質問項目(食事前の体調,仕事の内容・忙しさ,食欲,食事機会の有無,量の過不足盛,食後の満足度などを含む)を選定し,連続した1週間の日誌記述を,延べ60名に依頼した。 この分析では,日常生活状況における食事摂取内容,摂取エネルギー,食欲,空腹感,食事選択理由,食事に関する評価などの要因を検討した結果,環境的,心理的な要因では同席者の数は食欲や料理数,主観的食事量,満腹感,おいしさ,満足感と相関があった。また,同席者の数,体調,気分は摂取量と相関があった。 総合的には,1週間の摂取エネルギーの推移は日内変動がみられたが,1週間の期間においては参加者の体重の変化はほとんどなかったことに加えて,環境的,心理的な要因は短期的な食事摂取には影響を与えているが,長期的には潜在的な要因である何らかの自律的な摂取調節機構が影響している可能性があると示唆され,食事日誌記述法の有効性が確認された。 これらの結果に基づいて,最終版の「ミールダィアリー」を製作・印刷し,次年度の本調査の準備を完了した。
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