2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性ビタミン吸収促進効果を持つ納豆水溶性成分の脂肪制限食への利用
Project/Area Number |
19650216
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
土居 幸雄 Kyoto Women's University, 家政学部, 教授 (40172233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 詔子 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40153150)
|
Keywords | 細菌 / 食品 / 生理活性 / タンパク質 / 微生物 |
Research Abstract |
納豆菌が産生するビタミンK結合因子(KBF; Vitamin K binding factor)は疎水性炭素鎖を持つ物質と特異的に結合し、ミセル様構造を形成する。脂溶性ビタミンはKBFと結合し可溶化されるため、吸収が良いと考えられている。本年度は、脂肪摂取を十分に行うことのできない傷病者や高齢者を対象として考え、納豆に含まれる水溶性成分であるKBFによるビタミンK1とβ・カロテンの吸収促進効果を健常者において検証した。[方法]精製したKBFを食事(脂肪エネルギー比5%)に用いる代わりに、KBFを含む納豆粘性物質(納豆17g相当分)を添加して試験食とした。対照食には、アルコールで脱脂したKBFを含まない粘性物質を使用した。健常女性(21〜23歳)10名を対象として対照食摂取実験を行い、4週間後に同一被験者で試験食摂取実験を実施した。KBFの効果は摂取0,4,6時間後の血中脂溶性ビタミン濃度の測定し、摂取前後で比較して評価した。[結果]対照食では、平均血清VK1濃度の摂取前後の変化は、-0.14(マイクログラム/デシリットル)であったのに対し、試験食では0.24(マイクログラム/デシリットル)となり、5%の危険率で有意差が確認された。βカロテンについては、対照食で平均血清βカロテンの濃度変化は、2.22(マイクログラム/デシリットル)、試験食で6.29(マイクログラム/デシリットル)となり、5%の危険率で有意差が確認できた。中性脂肪、総コレステロール、LDLコレステロール、リン脂質の血清濃度変化については、いずれも有意差を確認できなかった。[結論]健康若年女性を対照とした臨床試験において、脂質制限食摂取の場合、ビタミンK1とβ-カロテンの吸収がKBFにより促進されたことが確認された。
|